Kennyの一橋大学日本史対策

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2016年度 慶應(文)日本史の雑感


大問1:古代~近代の宗教

(イ)は平安時代から鎌倉時代にかけての仏教に関する問題です。

A・B・Dが難問ですが、C・Eは正解しておきたいですね。

(ロ)は近世のキリスト教に関する問題です。

I・Jが難しく、F・Hは標準、Gだけは絶対に外せない設問でした。

山川の教科書には、26聖人殉教の背景にはイエズス会フランシスコ会の対立があったと書かれていますが、フランシスコ会の信者も犠牲になったことまでは書いていません。

(ハ)は近代のキリスト教に関する問題です。

Oが難しいものの、(イ)と(ロ)に比べると解きやすい問題が多いですね。

内村鑑三キリスト教徒としてとった行動とは、もちろん教育勅語拝礼拒否事件のことです。

明治維新政府は神道を国教化しようとしましたが、すでに庶民の生活には神道とともに仏教が強く根付いていたため、信仰を一元化することは難しい状況でした。

そこで、政府は国家神道(宗教ではなく「臣民タルノ義務」とする)政策に転じたわけです。

神道が宗教でないとするならば、キリスト教徒であっても明治天皇による神道に基づいた教育勅語に拝礼できるのですが、内村鑑三にとっては神道は宗教で、キリシタンとして相容れないとしたのでしょう。

 

大問2:中世・近世の流通・商品

(イ)は『一遍聖絵』に描かれた中世の流通事情に基づく問題です。

Dが難しいものの、選択肢が限られていますから全体的に解きやすいかと思います。

(ロ)は中世の商品に関する問題で、絵画の設問も2つあります。

洛中洛外図屏風が描かれたのは、16世紀初頭から江戸時代にかけてのことです。

これを理解しておけば、Gで0を躊躇いなく選べますね。

(ハ)は中世に栄えた港町の荒廃と豪商の入れ替わりに関する問題です。

L・M・Nと、4問のうち3問が高校日本史を超えた難しい問題でした。

大問2は0(当てはまる選択肢なし)という選択肢がありますが、0が正答の問題は意外と少ないので、勘で答える場合は0と答えるよりも選択肢の中から適当に選んだほうが良いですね。

 

大問3:近代初頭の宗教

幕末維新期から明治時代初頭にかけての宗教に関する記述式問題です。

E・Fがやや難しいですが、記述式ということもあり易しい問題が並んでいます。

廃仏毀釈の漢字は、きちんと書けないといけませんね。

ちなみに、世直し一揆は従来の一揆とは異なり、貧農・小作人を中心に質地返還や物価引下げを求めて世直しを標榜し、豪農商・村役人層に対する打ちこわしを伴うものが多かったということを問う論述問題が、昨年度に一橋大学の入試で出題されています。

大問4:平安期の女流文学

平安期の女流文学に関する、史料に基づいた記述式問題です。

とはいえ、史料が読めなくても設問文だけで解答は導けます。

論述問題は、摂関期に女流文学が発達した背景を摂関政治の形態と関連付けて問う出題で、指定語句も用意されました。

摂関政治天皇との外戚関係を利用した政治形態であったことは常識でしょう。

貴族たちが後宮に入れた娘たちに、文学的教養のある女性を付き添わせたことも知っているとは思いますが、これらを上手く組み合わせて解答を作成しなければならず、なかなか難しい論述問題ですね。

 

大問5:農地改革

敗戦後の農地改革に関する問題です。

史料の数値穴埋めは少し細かい知識(といっても押さえておくべき数値です)ですが、全体的には教科書レベルの基本的な問題が並んでいます。

論述問題は、自作農創設特別措置法が日本の農地・農民に与えた影響を問うもので、大問4に比べると非常に平易な問題です。

山川の教科書には「全農地の半分近くを占めていた小作地が1割程度にまで減少し、農家の大半が1町歩未満の零細な自作農となった一方、大地主たちは従来の大きな経済力と社会的威信とを一挙に失った」という記述がありますが、これを丸写しするだけで合格答案でしょう。

 

まとめとアドバイス

本年度は大問1つが戦後史から出題されるなど、例年に比べて近現代史の比重が高かったようです。

また、史料を用いた出題も増えましたが、史料の読解を要求する設問は皆無であるため、特に大きな影響は無かったと思います。

 

文学部の性質上、やはり文化史がかなりの比重を占めた出題がされる傾向にあります。

直前期は文化史を中心に知識を整理することで、本番での得点力向上が狙えるでしょう。

慶應義塾大学の日本史の特徴として、明らかに高校日本史の範囲を超えた問題が出題されます。

しかし、慶應の合否を左右するのは英語であり、日本史は基本的な問題を落とさないようにすることが重要です。

細かい知識を要求する問題は気にせず、教科書の知識をマスターすることに専念しましょう。

日本史は6割程度の得点率があれば、十分合格点だといえます。

 

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