Kennyの一橋大学日本史対策

現役一橋生Kennyが日本史選択の受験生を応援するブログ。

2016年度 早稲田(文)日本史の雑感


大問1:縄文時代の社会・生活

縄文時代の人々の生活・祭祀に関する問題です。

問1は教科書範囲外の用語があり難しいですが、問4・5は消去法で解答可能でしょう。

狩猟採集経済である縄文時代は、照葉樹林帯の西日本よりも落葉広葉樹帯の東日本のほうが生活環境に優れていました。

落葉広葉樹は木の実が豊かなうえに、落葉する冬は獲物も見つけやすくなるからです。

また、狩猟は陸上動物よりも捕獲が容易なサケ・マスなど魚介類が中心でした。

弥生時代、稲作が西日本から始まるのは西日本のほうが栄えていたからではなく、西日本は稲作を開始する必要があり、東日本はその必要がなかったからなのです。

 

大問2:古代の戦乱

白村江の戦いから承平・天慶の乱まで、古代の戦乱に関する問題です。

問7がやや難しいですが、基本的な問題が並んでおり、全問正解も狙えます。

問1は、なぜか天智天皇という定番のひっかけ選択肢がありません(笑)

壬申の乱の意義ですが、勝利した天武天皇によって皇親政治が確立しました。

皇親政治とは天皇が大臣を置かずに政治を進める皇族中心の政治形態のことで、八色の姓の制定・部曲の廃止・飛鳥浄御原令の制定などに現れています。

ちなみに、壬申の乱で敗れた大友皇子ですが、1870年に天皇に加えて弘文天皇としたため、皇統譜では第39代の天皇になりました。

 

大問3:中世の政治

鎌倉時代から戦国時代にかけての政治史を中心とする問題です。

比企能員と嘉吉をしっかり書ければ、全問正解も狙えるでしょう。

後鳥羽上皇は中世屈指の歌人として知られており、『新古今和歌集』の撰者の一人であったことが明らかになっています。

また、百人一首の99番目には後鳥羽上皇の歌があります。

「人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は」

古典は不得手なのですが、良い歌ではないでしょうか(笑)

 

大問4:近世の土地支配

近世の土地政策を中心にした政治史の問題です。

大問2・3に比べると、やや難しい印象を受けます。

松前藩は農産物による収入を期待できず、アイヌとの交易による利益を財政的基盤としていました。

そのため、松前藩の家臣にはアイヌの商場での交易権を知行として与える商場知行制がとられたのです。

 

大問5:大正デモクラシー

大正デモクラシーおよび護憲運動を中心とした政治史の問題です。

基本的な問題が並んでいますが、黎明会と清浦奎吾は漢字に注意しましょう。

吉野作造は、今年度の早稲田大学法学部の大問3でも扱われていましたね。

同じ教授が作問を担当したのかもしれません。

陸軍二個師団増設問題で西園寺首相と対立した上原勇作陸相は、首相を通さず天皇に帷幄上奏して辞任し、その結果内閣は倒壊しました。

ただし、ここで留意していただきたいのですが、帷幄上奏とは統帥部が軍機・軍令について直接天皇に上奏することであり、本来は統帥部だけのものでした。

すなわち、内閣の一員である軍の大臣が首相を超えて帷幄上奏するというのは、本来であれば認められない拡大解釈だったのです。

帷幄上奏の拡大解釈は、軍部大臣現役武官制とともに軍部の内閣・議会軽視を生み、昭和戦前期の軍部の暴走を招いた原因となりました。

 

大問6:日本の肖像美術

例年通り大問6は美術史が出題され、今年度は奈良時代から近代の肖像美術に関する問題でした。

用語は教科書に載っているレベルですが、参考書・問題集では扱われにくい文化テーマ史ですから、決して簡単な問題ではないでしょう。

本学部を第一志望とする受験生ならば、美術史が必ず出題されるとわかっているわけですから、文化史をテーマ別にまとめたオリジナルノートを作ったり、ひたすら資料集を眺めたりして対策しなければいけません。

しかし、併願しているだけで本命は別にある受験生は、美術史の大問は捨てても良いのではないでしょうか。

センター試験で問われるレベルの文化史をマスターしておけば、少なくとも2~3問は答えられると思います。

特に国公立大学の受験生は、日本史で私大専願の受験生に勝つことは不可能ですから、本問のような日本史の枝葉部分(文化史)は捨てて、英語で上回るようにしましょう。

 

まとめとアドバイス

早稲田大学の日本史は、年度によって難易度に大きなバラつきがあります。

今年度の文学部の日本史は、全体的に解きやすくなった印象です。

大問2・3・5で余計な失点をしないことが合格の鍵を握ると思います。

 

文化史は、その気になればいくらでも細かい知識を問える分野です。

文学部が本命ならばともかく、そうでない受験生はあまり気にしないほうが良いでしょう。

むしろ大問2~5は政治史を中心としたオーソドックスな出題がされるわけですから、ここで失点しないことが重要になります。

 

読み終わったらクリック!→人気ブログランキング